人間の理解を超えた存在

神と呼ばれる存在者がいるとすれば、
それは人間が擬人化した物語の宗教の中のような
存在ではないと思う。
アインシュタインが言ったように、
宗教の言っているお伽話のような神ではなく、
スピノザの汎神論のような存在。
その存在を何と呼ぶかは自由だが、
どんな名もその名によって限定されてしまう。
だからその存在者に名前をつけることはできない。
我々人間には理解することもできない。
善を行う者も悪を行う者もそれぞれ報いを受ける
わけでもなく、理不尽と不条理に満ちていても
この世界はその存在者によって造られ、続いていく。
とても慈愛に満ちた存在とか、義なる神とかではなく、
全く理解できない存在だ。
私とすれば、昔所属した成功哲学、思い描けばその通りになるという
教えのキリスト教の流れに属する巨大教会が一時期は
大変力を持っていたが、今は没落しているのを知った。
人間は一時的な繁栄を求めるが、それは虚しい。
生きていてわかったのは、自分に割り当てられている
命令（コマンド）を存在者が書いた
プログラミング通りに行うだけだ。
それが人間の存在だ。

積極的考え方は不幸になる

私の経験と見てきた例では、成功哲学と
積極的考え方や前向き思考は不幸になる。
私の母親は47歳で癌で長い間、闘病し何度も手術をし、
壮絶な最後を遂げたが、若い頃は自分も他人も弱音を
吐くことを許さない人だった。そして自分の思い描いた通りに
成功したが、ある時発病した。
だから、消極的な人はそれが自然だし、前向きになれない人は
無理をしないのが自然なのだろう。

全ての運命はあらかじめ完全に決まっている

ユダヤ教のライトマン博士のカバラ講義では、
全ては予め決まっており、
人間には運命を決めることは出来ないと
言う。人間は生まれた時に全てが決まっている。
これはインドの一元論も同じだ。
今月、義父の葬儀があった。
少し前まで元気だった。
我々人間には自分の意志で可能な事と
権能の及ばざるものがある。
すべては決まっている。これから起こること、明日起こることも
既に決まっている。
現代の脳科学者たちの研究成果では、
我々には自由意志はない。あるとすれば自由否定だ。

אִיּוֹב

ヨブ記　３６章
5 見よ。神は強い。だが、だれをもさげすまない。
その理解の力は強い。

自由意志

ベンジャミン・リベットは
自由意志の存在を実証するために
実験を行った。

カリフォルニア大学サンフランシスコ校
脳科学センター。
元来は心身二元論者だったらしい。
ところが、彼がその実験から得た結果は、
全く逆のものであった。
自由意志は存在しないが、
自由否定はあるかもしれない。

 

ジンガーとロートは
自由意志は幻想だ、と言っている。

バルーク（ברוך　「恵まれた」の意）・スピノザ
アインシュタインはスピノザの見解に同意。

デビッド・イーグルマン准教授
ベイラー医科大学 神経科学者
法制度に対する提言を行う研究に従事
「意識は傍観者である」

「自由意志が存在するなら、
なぜこれほど科学が発達したのに、
戦争はなくならないのか。」と言った
賢者がいる。